鳥居とは

鳥居は神社の入口に立つ一種の門であり、神様の聖域と人間世界の結界の役目を担っている構築物の一つです。

鳥居の起源については、よくわかっていませんが、一説によると天照大御神(アマテラスオオミカミ)が岩戸隠れのとき、鶏(常世(トコヨ)の長鳴鳥(ナガナギドリ))を止まり木にとまらせて鳴かせたところ、それによって大御神が岩戸から出てこられたことから、以後、神前には鶏の止まり木をつくるようになり、それが鳥居になったといわれています。

また、語源については、「通り入る」という言葉が転化したともいわれています。

一般的な鳥居の構造は、二本の柱と柱の上に載せた「笠木(カサギ)」、その下に水平に通された「貫(ヌキ)」から成っています。その貫が柱の外に出ていないのが「神明鳥居」といわれる形式の鳥居で、最も古い素朴な鳥居で、地図で示されている神社のマークに使われているのはこの鳥居です。

一つの神社に二つ以上の鳥居がある場合は一番外側にあるものを一の鳥居といい拝殿に近づくにつれて二の鳥居、三の鳥居と呼んでいます。

 

(辛國神社一の鳥居)

平成22年の3月に改修成った一の鳥居は、「両部鳥居」といわれる形式で本体の鳥居の柱を支える形で「稚児柱」が前後に二本ずつあり、笠木の上に屋根がある装飾性の高い造りの欅製の鳥居です。

周辺でも数少ない貴重な大型の両部鳥居です。この両部鳥居は、何時建てられたのかは明らかではありませんが、1801年刻の河内名所図会には両部鳥居形式の一の鳥居が描かれていました。

また、図会には二の鳥居も描かれており、現在の石造りの二の鳥居とは異なる二の鳥居が存在していたことがうかがうことができます。